顎関節症になりやすい要因として特に注目されているのが「TCH」というものがあります。
TCHとは、上下の歯と歯を合わせる習慣のことです。
このTCHは、顎関節症に悩む人の約80%にみられるようです。
今回は、あなたにTCHの習慣があるのかチェックの方法とTCHを行う習慣を改善するための方法を解説していきます。
現在、マウスピースやその他の治療を受けられている方で、顎関節症がなかなか改善してこないという方は、このTCHを改善することで顎関節症を早期に改善させて予防にもなりますので是非最後まで読み進めて下さい。
1.TCHとは?
あなたは、口を閉じている時、上の歯と下の歯がかみ合っているのが当たり前と思っていませんか?
実はその当たり前と思っていることが顎関節症を招く大きな原因となっています。
以下に口を閉じている時の正常な状態と異常な状態を解説していきます。
1-1.正常な状態
安静にしている時は、前歯で1~2ミリ、奥歯で0.5~1ミリ程度の隙間があるのが顎関節周囲の筋肉や関節にとってリラックスした状態です。
1-2.異常な状態(TCH)
上下の歯を接触させてしまっている状態です。これは、下顎を筋肉を使って持ち上げてしまっているため咀嚼に使うような筋肉を常に使ってしまっているため筋肉や関節が休まりません。
2.TCHは、食いしばりよりも問題が大きい!
力強く歯を食いしばることで、顎関節や筋肉に負担がかかるという事は、感覚的に理解しやすいと思います。
しかし歯と歯を軽く接触させたところで大して負担がかかっていないように思うかもしれません。
軽く歯を合わせただけでも歯と歯が接触した状態では顎関節には圧力がかかり筋肉は緊張状態になります。
小さな力とはいえ長時間にわたって力が加わり続ける事によって関節や筋肉に大きな負担がかかり血流も悪くなってきます。
力いっぱい噛みしめたとしても精々数分が限界です、それに比べて弱い力で接触させ続けるTCHは、長時間かかりつづけるため自分でも気づかない内に顎関節に負担をかけてしまい顎関節症を長引かせてしまう原因となります。
3.TCHのセルフチェック
歯と歯を接触させてるか?と聞かれても無意識にやっている方も多いと思いますので、わからない人も多いでしょう。
無意識のうちにやってしまっている習慣を改善するには先ずTCHの有無を自分で確かめてみましょう。
座った状態で背筋を伸ばして唇を閉じた状態で行います!
- ぴったりとかみ合っている
- 前歯だけかみ合っている
- 奥歯だけかみ合っている
- まったく触れあっていない
- 舌先が上の前歯の裏側についている
- 上あごの面に舌全体がぴったりついている
- 舌先が下の前歯の裏側についている
- 違和感がある、落ち着かない
- 違和感がない
- 違和感がある
- 違和感がない
3-1.判定
チエック1
- ぴったりとかみ合っている
- 前歯だけかみ合っている
- 奥歯だけかみ合っている
チェック2
- 上あごの面に舌全体がぴったりついている
- 舌先が下の前歯の裏側についている
チェック3
違和感がある、落ち着かない
チエック4
違和感がない
上記の4つのチェックで1つでも当てはまった回答があった場合はTCHの疑いが濃厚です。
3-2.口の中に証拠が残っていないか?
自分でチェックしようとしてもわからなかった人は口の中を鏡を見ながら確認してください。
舌に歯型がついていないか?
TCHがあると下顎に力が入り舌が歯に押し付けられて舌の両端に歯型が着いていることが多いのです。
頬の内側の粘膜に白い線が入っていないか
TCHがある場合、頬の内側に白い咬合線が出来ていることが多い。
4.TCHのセルフコントロール
顎関節症の80%以上にみられるTCH。TCHのセルフコントロールは顎関節症の早期改善に欠かすことができない取り組みです。
歯と歯を接触させないぞと思うだけではなかなか改善できません。
以下に解説する方法で簡単に改善できるので徐々に馴らしていきましょう。
4-1.貼り紙をして目にするたびに脱力
TCHがある人は、歯と歯を接触させることに違和感がありません。しかし常に歯を離そうとするのではなく、生活空間のいたるところ(10か所程度)に貼り紙をして「歯を離す」と書いた貼り紙を目にしたときに脱力をして歯を離すようにします。
このようにして気づきのキッカケを生活の中につくるようにしていけばTCHの習慣が改善され顎関節症の症状も早期に改善されやすくなるはずです。
PCやトイレなど数分から数時間滞在するような場所にポストイットなどを貼るのがお勧めです!
上下の歯を合わせている方が落ち着くという方もいるかもしれませんが1日合計20分以上の歯と歯の接触は大きな負担となります。