日本整形外科学会の調査では、約3,000万人の人々が腰痛症状を訴えていると推計されています。腰痛には様々な原因があり、痛みの感じ方も個人によって異なります。
中でも、右側の腰だけに痛みが生じる場合には、見過ごすことのできない病気が隠れている可能性もありますので注意が必要です。
右側の腰が痛む主な原因としては、日常生活の中で身体の使い方に偏りがあることによる筋肉や関節の痛みと、椎間板ヘルニアなどの神経の圧迫による痛みが考えられます。
また、内臓の問題、特に腎臓や肝臓の疾患によっても、右側の腰痛が引き起こされることがあります。このような場合は、発熱や排尿時の痛み、全身倦怠感などの症状が併発することが特徴的です。
女性の場合は、子宮筋腫や子宮内膜症などの婦人科的な疾患も右腰の痛みの原因となり得ます。
しかし、現代はPCを使った作業や運転など長時間座って仕事をすることで偏った負担がかかり多くは、筋肉や骨格のトラブルによって右側の腰痛が慢性化していることが多いと言えます。
今回のブログでは、右側におこる腰痛の原因として筋肉のトラブルの解説と自宅でできるセルフケアについて説明をしていきます。
1.筋肉のトラブルによっておこる右側の腰痛
多くの場合、腰痛を感じている場所とは違うところに痛みの発生源あり、発生源になっている筋肉にトリガーポイント(引き金になっている筋肉の凝り)が出現しています。
ここでは、右側で腰痛を感じさせる代表的な筋肉を解説していきます。
1-1.大殿筋
大殿筋が硬くなるとお尻だけでなく腰にも痛みや怠さを感じる事があります。
×の部分が凝りの位置で赤い部分が痛みや怠さなど痛みを感じる部分です。腰を温めたり湿布などを貼るなどしても右側の腰痛が解消されないのは、大殿筋のトリガーポイントが原因している可能性があります。
1-2.中殿筋
中殿筋は、臀部の外寄りにある筋肉です。
2.自宅でできるセルフケア
セルフケアは、補助的なものですが毎日2~3分継続して行う事で効果が期待できることがあります。また専用の器具でなくてもボールで代用することもできますので手軽に始められるのもメリットです。
2-1.筋膜のケア
筋膜ローラーなどがあると便利ですが、テニスボールなど硬めのボールでも行う事が可能です。イラストのように、横向きの体勢でローラーに身体を預けていき、適度に圧力(痛気持ちがいい程度)をかけたまま上下に身体を使ってローラーを転がします。これを両方ともに2分ずつ行う。
2-2.姿勢について
中殿筋や大殿筋が硬くなりやすい人は、長時間座っていることが多い傾向にあります。トリガーポイントが発生してしまうのは、その筋肉に負担をかけてしまっているためです。
上記のイラストで上の図のように骨盤を起こして座っている事ができていれば、臀部の筋肉に負担がかかる事はありませんが、多くの方は下のイラストのように骨盤が寝てしまっている事が多くこの姿勢を長時間続けていると臀部の筋肉に負担がかかってしまいます。
足を組む習慣がある人も要注意です。
まとめ
座り方や、普段の身体の使い方の癖によって慢性的に偏った所に負担がかかりトリガーポイントのような筋肉のトラブルが発生してしまいます。
セルフケアも紹介もしましたが、骨盤の歪みや開き、背骨の歪みによっても臀部の筋肉が硬くなることもあります。
セルフケアはあくまで補助的な方法です。しばらく継続して右側の腰痛が改善されないようであれば専門家に相談することも選択肢に入れてください。
長時間座った後にお尻の横が怠くなってトントンと叩きたくなるという人は、中殿筋のトリガーポイントがあるかもしれません。