顎関節症という言葉を聞いたことがありますか?
実は、この症状は非常に多くの人に影響を及ぼしており、その原因やタイプには様々な要因が関与しています。
今回は、顎関節症の3つの主要なタイプとそれぞれの原因について詳しく説明します。
目次
そもそも顎関節症とは?
顎関節症とは、顎関節周辺での痛みや不快感を伴う病気の総称です。
この症状は、顎の動きに問題があるため、口を開け閉めする際に痛みを感じることがあります。
一般的な症状は、顎の痛み、顎の関節音、顔の疲労感、さらには頭痛や首の痛みなどが挙げられます。
顎関節症3つのタイプ
顎関節症は、医学的に3つのタイプに分類されます。それぞれ詳しく解説していきます。
1. 筋肉性顎関節症(Myofascial Pain Dysfunction Syndrome)
筋肉性顎関節症は、顎関節周辺の筋肉に痛みや緊張が生じる状態です。
主な症状は顎の痛み、噛む際の不快感、顔の筋肉の緊張などが挙げられます。
このタイプの顎関節症は、歯ぎしりやストレスによって引き起こされることがあります。
咬筋や側頭筋など噛むときに使う筋肉が異常に緊張した状態で、慢性化している状態では、指で押すと圧痛のあるシコリができている事が多いです!
2. 内在性顎関節症(Internal Derangement)
内在性顎関節症は、顎関節自体に問題がある状態です。
このタイプでは、顎の関節音、顎の開閉に制限、時には関節の変形などが見られます。
内在性顎関節症は、関節円板の変位や損傷によって引き起こされることがあります。
関節円盤が前にズレてしまっているケースが多く、口を開けていくと関節円板がズレている側に顎先が開いていきます!
3. 混合性顎関節症(Mixed-Type)
混合性顎関節症は、筋肉性顎関節症と内在性顎関節症の症状が同時に現れる場合を指します。
つまり、顎周辺の筋肉に痛みや緊張があるだけでなく、顎関節自体にも問題がある場合です。このタイプは比較的複雑で、症状が多岐にわたることがあります。
当院に来院される方の大半は混合性の顎関節症の方です。改善していくまでに時間がかかるのと日常生活の中で顎関節に負担をかけてしまっている生活習慣も改善していく事で治癒が早まります!
顎関節症の原因
噛み合わせが悪い
顎関節症の原因の一つは、噛み合わせが悪いことです。
歯が正確に噛み合わず、不均等な圧力がかかることがあります。これは、歯が合っていないことが原因で、顎関節に負担をかける結果となります。
例えば、歯のかみ合わせが上下でズレていると、顎関節症のリスクが高まります。
歯ぎしり・食いしばりの癖がある
もう一つの原因は、歯ぎしりや食いしばりの癖です。
この癖があると、顎関節に過度の圧力がかかり、炎症を引き起こすことがあります。
夜間に無意識に歯ぎしりをしている人も多く、その結果、顎関節症が発症することがあります。
無意識に上下の歯を接触させる習慣のある人要注意!
片側で咀嚼する癖がある
片側で咀嚼する癖も顎関節症の原因となり得ます。
普段から特定の一方の側面で食事を摂ることが多い人は、左右の顎関節の筋肉のバランスが崩れて顎関節への負担が不均等にかかり、痛みや開口制限が生じることがあります。
うつ伏せ寝・頬杖をつく・猫背などの癖がある
さらに、寝姿勢や日常の癖も顎関節症に影響を与えます。
例えば、うつ伏せで寝ることや、頬杖をつく癖、猫背の姿勢を保つことが、顎関節への過度な圧力を生み出し、症状を引き起こす可能性があります。
スマホを長時間見る癖のある人は要注意です!
TCH(Temporomandibular Condylar Hyperplasia)
さらに、顎関節症の原因としてTCH(Temporomandibular Condylar Hyperplasia)も挙げられます。TCHは、顎関節の骨が異常成長し、正常な咀嚼や口の動きに制限を生じる状態です。この症状は先天的な要因や遺伝的要因によって引き起こされることがあります。
顎関節症を放置してはいけない理由
顎関節症を放置すると、症状が悪化する可能性が高まります。
慢性的な痛みや不快感が生じ、口を開け閉めすることが難しくなることもあります。
さらに、顎関節症は頭痛や首の痛みにもつながり、日常生活に支障をきたすことがあります。
早期に治療をすることで早く改善できて重症化することを防げます!
顎関節症の予防法
顎関節症を予防するためには、以下の方法が役立ちます。
顎に負担がかかる癖をやめる
まず、顎に負担がかかる癖をやめることが大切です。
歯ぎしりや食いしばりの癖がある場合は、歯科医の指導のもとでマウスガードを使用するなどの対策を取ることが重要です。
専用のマウスピースを装着する
専用のマウスピースを歯科医の指導のもとで装着することで、歯ぎしりや食いしばりによる顎への負担を軽減できます。
これは、顎関節症の予防に効果的な方法の一つです。
顎周りのマッサージをする
顎周りの筋肉を緩めるために、定期的なマッサージを行うことも役立ちます。
顎関節の筋肉をほぐすことで、顎関節への圧力を軽減できるでしょう。
インビザラインで顎関節症が治るケースはある?
顎関節症の治療には、インビザライン(透明なマウスピース矯正)が利用されることがあります。
しかし、インビザライン治療中に顎関節症になるケースも報告されています。
治療の過程で噛み合わせが変化するため、一部の患者にとっては顎関節に負担がかかることがあるため、注意が必要です。
個人的な見解ですが顎関節症の症状が強くなるとマウスピースだけでは改善が難しいと思います!
整体で顎関節症が改善するケースはある?
整体では、顎関節のみが原因とは考えません。
顎関節には異常がなく、頭蓋骨や頸椎の骨格アライメント異常があると考えて施術を行っていきます。
顎関節に負担をかけてしまっている姿勢や硬くなってしまった筋肉を緩めていくことで顎関節症の改善は充分に見込めます。
まとめ
顎関節症は、噛み合わせの悪さや癖、姿勢などさまざまな要因によって引き起こされる病気です。
早期の対策と予防が大切であり、マウスピースや顎関節の筋肉マッサージなどの方法が有効です。
インビザライン治療を受ける際にも、顎関節への負担に注意が必要です。
症状がある場合は、歯科医師、経験や知識を持った整体師に相談し、適切な施術を受けることをおすすめします。顎関節症を放置せず、健康な口元を保ちましょう。
TCH(Temporomandibular Condylar Hyperplasia)に関しても、遺伝的な要因に注意を払いましょう。
顎の症状で当院に来院される方の大半は、顎関節症に加えて首の痛み、肩こり、腰痛など他の部位の自覚症状を訴える方多いです。