今回は、当院へ来院された患者さんで、口が大きく斜めに開いて、右側の顎関節に痛みを伴っている顎関節症の施術を解説していきます。
顎関節症による「口が斜めに開く」という症状に対するアプローチ方法や効果について紹介します。
顎関節症は日常生活に支障をきたすことがあり、その改善には適切なアプローチが求められます。
整体の施術を通じてどのように症状が改善し、変化したかを解説します。
カウンセリングをした際の患者さんの主訴
50代 女性 デスクワーク
- 数年前から顎関節の違和感はあった。
- 食いしばりの癖がある
- 2ヶ月ほど前から顎関節から音(グリッ)がするようになった。
- 開口時に右側の顎関節で痛みが出る
- 口が斜めに開くようになってきた。
- 首や肩の凝りが気になる
- 時々、頭痛がする。
- 口腔外科にも通院しているが改善してこない。
- マウスピースの装着
また生活習慣として長時間のデスクワークやスマホを見るなど同じ姿勢を長時間とる方に多いのも特徴的です。
顎関節症に対する検査
当院では、顎関節のトラブルは姿勢や脊椎、骨盤など他の関節や筋肉のトラブルが必ず関連していると考えます。
今回の女性は検査をした結果以下の様な結果となりました。
- 骨盤検査 右の仙腸関節に制限
- 背骨 腰椎4番 胸椎12番 胸椎5番に制限
- 頸椎 頸椎2番に制限
- 後頭骨の動きの制限
- 横隔膜の硬さ
- 右咬筋 側頭筋 内側翼突筋の緊張
顎関節は、頭から下の骨格や筋肉の影響を受けやすいので顎関節だけでなく、顎関節に影響を与えているところを見つけるのが重要なんです。
顎関節症を改善させる整体
顎関節症を改善させる整体は、いきなり顎関節を調整したりはしません。
当院では、検査で異常があった部分を順番に調整していきます。
なぜなら顎関節が単独で悪くなっているのではなく、頭より下の首や腰、足などのバランスを崩してしまった結果として顎関節のバランスを崩してしまっているからです。
施術の内容
- 骨盤の矯正
- 脊椎の矯正
- 横隔膜の調整
- 頭蓋骨や顎関節の筋肉の調整
- 自宅や職場で簡単にできるセルフケアの指導
顎関節は頭蓋骨にぶら下がっている構造なので、頭より下の部分を先に調整していきます。建物の基礎部分を先に工事するようなイメージです!
治療の経過
治療のペースとしては、週に1回の治療を3ヶ月継続してもらいました。
顎関節の痛みなどは、1ヶ月程度で消失していましたが、顎関節のバランスやクリック音などを改善していくには、繰り返し施術を継続して正しい状態を身体に定着させる必要があります。
3か月後の顎関節のバランス
口を開けるときの軌道が、かなり修正されていると思います。
まとめ
- 顎関節症は顎関節だけ悪いのではない。
- 骨盤や脊椎などの問題がある。
- 正しい状態を定着させるまでに2~3ヶ月程度の期間がかかる。
- 顎関節症以外の症状も併発している。
顎関節に症状を言われてる方は、首や肩の凝り感や耳鳴り、眩暈、頭痛など他の症状もお持ちの方が多いです。