出産は女性にとって特別な瞬間であり、新しい生命が誕生する幸せな瞬間です。
しかし、出産という過程は体に多くの変化をもたらし、特に骨盤に影響を及ぼすことがあります。骨盤は出産中に大きな負担を受け、時には怪我を負うこともあります。
今回のブログでは、産後の骨盤矯正に焦点を当て、出産時に尾骨骨折を受傷した特定のケースについて、当院でのその改善事例をご紹介いたします。
座っていると尾骨が痛い
S様 30代 女性 産後1ヶ月
症状
座っていると尾骨が痛い
右足の付け根が痛くて歩きにくい
腰痛
S様にお話をお聞きしていると、椅子に座っていると尾骨が痛む、右足の付け根の痛みと腰痛にお悩みのようでした。
ですがS様の場合、出産時に尾骨を骨折したという事でした。
出産時の尾骨骨折
出産の際におこる尾骨骨折は、赤ちゃんが産道を通過するときに、お母さんの骨盤が開いて、なおかつ尾骨部分と恥骨の距離が離れるように動いてくれなくてはいけません。
しかし、動きが硬いと産道が狭いままなので、赤ちゃんが通る時に尾骨と激突してしまいます。
産後の骨盤矯正は可能なのか?
今回来院されたのは、産後1ヶ月を超えての来院なので、骨折の癒合しかけている状態です。
また、尾骨に直接触れるのではなく、仙腸関節を締めたり、仙骨の向きの調整を行うことによって尾骨にかかる負担は軽減できますので骨盤矯正はむしろ行う方が良いと思います。
施術
先ずは、骨盤の左右のバランスを整えてから骨盤を締めていきました。
そうすることで、骨盤に付着している筋肉や靭帯を介して尾骨にかかる負担を軽減することができます。
尾骨筋など直接尾骨に付着している筋肉もありますから骨盤を締めることで尾骨にかかる張力が弱くなります。
次にこの方の場合、右足の付け根(股関節の前面)に痛みがあるのですが、背骨の歪みに起因するものでした。
背骨が歪むことで、足の付け根を通過する神経が刺激をうけて痛みや、その周囲の筋肉をかたくしてしまいます。
今回は、胸椎12番のズレから大腰筋にトラブルがおきて足の付け根に痛みが起きていましたが矯正後即座に痛みが消えていました。
日常生活の注意点
座っていると、尾骨が痛くなるなるため、普段は円座を使っているそうです。
円座を使うことで尾骨が圧迫されないので尾骨の痛みは避けることができるでしょう。
しかしこれは尾骨が癒合したら止めるべきだと思います。
なぜなら、円座に座る事によって常に両サイドの仙腸関節に剪断力が働いてしまいます。そこから仙腸関節に負担がかかり靭帯や筋肉を介して尾骨の痛みがでてしまいます。
座り方に注意
出産時に尾骨骨折をおこしやすい方は、日常的にこのような座り方が多いです。
上記の左図の座り方をしていると尾骨に負担がかかるだけでなく骨盤も後傾するため腰にも負担がかかってしまいます。
正しくは、右図のように骨盤を立てて座るようにするのが負担が軽減されます。
最後に:次の出産でも尾骨骨折する?
次の出産の時も尾骨骨折をすると担当の先生に言われたそうです。
たしかに、このままの状態ですと、赤ちゃんが産道を通る時に尾骨に当たってしまい骨折する可能性が高いです。
ですが、それはそのままの状態であればという事です。そもそも出産時に骨盤が十分に開いて仙骨がうなずく方向に可動すれば尾骨に当たるということは無いはずです。
出産前から骨盤や股関節の可動性を確保できるようにケアをしていけば予防できるでしょう。
出産後に骨盤を支えている靭帯が緩んで尾骨が痛むというケースはよくあります。