膝の内側が痛い:整体から見た鷲足炎の徹底解説

膝の痛みは多くの人が経験する一般的な問題ですが、痛みが膝の内側に集中している場合、特定の原因として考えられるのが鷲足炎(がそくえん)です。

この記事では、その原因と対処法について整体師の観点から解説します。

鷲足炎とは?

鷲足炎、またはPes Anserine Bursitisは、膝関節の内側に位置する特定の部位で発生する炎症状態を指します。この部位は「鵞足部」とも呼ばれ、その名の通り、鳥の足のように見える複数の筋肉の腱が集まっている場所です。

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上記のイラストは膝を内側から見たところで、縫工筋、薄筋、半腱様筋の腱が集まって膝の内側に付着してます。3つの筋肉の腱が鳥の足のように見えるため鷲足と呼ばれてます!

鷲足には滑液包という小さな袋があり、通常は関節の動きを滑らかにする役割を果たしています。

しかし、過度な運動や、特にランニングやサッカーのようなスポーツによる反復的な負荷がこの部位に加わることで、滑液包が過剰に刺激され、炎症を起こすことがあります。

この状態は、膝の内側に痛みや腫れを引き起こし、歩行や運動にも痛み違和感を感じることがあります。

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スポーツをしている人にも多いですが、スポーツをしていない人にも起こります。整体師の目線では股関節や骨盤、足首が硬いと膝の内側に過度に負担がかかると考えます。

鷲足炎の症状は?

  1. 痛み: 鷲足炎の主な症状は痛みで、膝の下方、すねの内側に位置する鷲足部位に現れます。触れると痛みが増し、圧痛が顕著になります。活動中や階段の下り、歩行時にも痛みが強くなる傾向があります。
  2. 腫れ: 炎症により、鷲足部位に腫れが生じることがあります。これは痛みと同時に起こることが多いです。
  3. 熱感: 鷲足炎による痛みや腫れと共に、患部に熱を感じることがあります。これは炎症の一環として現れます。
  4. 突っ張り感: 膝の内側、やや後ろに突っ張り感を覚えることがある。
  5. 運動後の痛み: 特に運動後、鷲足炎の症状が顕著になることがあり、活動が原因で痛みが引き起こされることがあります。

鷲足炎の原因は?

一般的には、走る事が多いスポーツ競技で膝の曲げ伸ばしに加えて内旋する負荷が繰り返し加わることで、縫工筋、薄筋、半腱様筋が硬くなり、鷲足に負担がかかります。

また上記に加えて肥満体型の人は更に負担が強まり鷲足部に炎症をおこすリスクが高まります。

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膝の酷使によって発症するのですが、どの程度で膝の酷使になるかは、個人差がありますのでスポーツをやっていない人にもおこります。

整体師から見た鷲足炎の原因

鷲足炎は、再発の多い膝のトラブルの1つです。

再発が多いのは痛みが起きている患部にだけ問題があるわけではありません。整体では、膝に症状がある場合、足首、股関節、骨盤、背骨の状態を確認します。

原因その1 足首

足首の中でも距骨下関節という部分があります。

後足部が過回内の状態になると膝の内側に負担がかかりやすくなります。

後足部の過回内とは踵の骨が内側に倒れている状態です。

後足部が内側に傾きが強くなると膝を曲げ伸ばししたときに膝が内側に入り爪先が外を向いてしまうニーイントゥーアウトという状態になりやすく膝の内側に負担がかかります。

原因その2 股関節

股関節は本来、可動性の大きな関節です。その股関節の動きが硬くなった場合、股関節の可動性が悪い分の負荷を膝が請け負ってしまう場合があります。

原因その3 骨盤

骨盤の仙腸関節に歪みがある事で、股関節や膝関節の可動性に影響がでるため、膝に痛みがある人には、必ずチェックする場所です。

原因その4 腰椎

腰椎の間からは、大腿部に向かう脊髄神経が出ています。腰椎が歪むことで、膝を支えている筋肉が硬くなることがあります。

鷲足炎の治療はどのようにするの?

一般的には、サポーター、テーピング、マッサージ、患部の炎症にに対して痛み止めの注射などが多いようですが、患部の対処としては良いと思いますが、膝に負担がかかる状態が変わっていないため痛みが戻りやすい事が多いのが現実です。

整体による鷲足炎の治療

整体による鷲足炎の治療は、患部そのものより膝の内側に負担がかかりにくくすることに焦点をあてます。

主に、腰椎、骨盤、股関節、膝、足首の状態を確認して、どの場所が膝に一番影響しているか判断していき、施術を行います。

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腰痛などは感じていなくても、ほとんどの場合で腰椎、骨盤に問題がある場合が多いです。

日常生活での注意点

腫れや熱感がある場合。

このような時は、できるだけ患部の安静を保つこと。スポーツなどは避けてるようにする。

自宅でアイシングを行うのも有効です。(10分を朝、昼、夜)

今履いている靴の見直し

いつも履いている靴の踵の部分をつまんで下さい。つまんでみて踵が柔らかい場合は、靴を変える事を検討して下さい。

靴の踵部分には、本来ヒールカウンターという硬い素材が入っているのが良い靴なのです。

しかし、ヒールカウンターが入っていない靴も多くあります。このヒールカウンターが入っていないと、踵の骨が内側に倒れてきて後足部の過回内という状態を作りやすくなり結果として膝の内側に負担がかかります。

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意外と盲点なのが、靴紐が緩んでいる状態で靴を履いてしまっている事です。靴紐が緩んでいると靴の中で足が遊んでしまうため膝に負担がかかります。

心当たりのある方は、靴紐を一度締め直しましょう!

まとめ

鷲足炎は、膝の内側付近での炎症ですが、膝だけに問題があるのではありません。

膝の痛みが再発しやすいのは、膝に負担をかけてしまっている、他の関節や筋肉の問題が必ず潜んでいるためです。

また普段から履いている靴にも注意を払いましょう、不適切な靴を選んで履いてしまうと足や他の場所にも負担が波及します。

整骨院や整体院では、そのようなことにも注意を払いながら施術を行っています。

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